過日、用事があって御茶ノ水方面へクルマを走らせていると、ステアリングの感じがどうもにヘンである。妙に硬いというか、反発力が強いというか。はて、どうしたことかと訝りながらも目的地には無事に到着。
3時間ほどで用事が済んだ帰り道。駐車場から出したところで、朝よりも一層強い違和感が。ふむ、こりゃいかん、と道端でクルマを停めて、懇意にしている整備会社1)に連絡して電話でアドバイスを受ける。最近の電子部品満載のクルマと違って、我が89年製のご老体は、ボンネットを開けると、エンジン周りは素人でもなんとか内部がわかるくらいにシンプルなつくりである。パワステベルトとパワステオイルを調べてみるも特に怪しげな様子はなし。放っておくのもコワいので取り急ぎ診てもらおうと、その整備会社に向かう。高速を使えば3、40分の距離だ。
高速では80キロ遵守の安全運転。で、目的地に無事到着して、クルマの周囲をぐるりと見て回ったところ、何たることか、右のフロントタイヤが見事にペチャンコ。英語でパンクのことを「flat tire」と言うが、まさに文字通りそうなっており、これで高速走ってたかと思うと冷や汗。ご老体が踏ん張って支えてくれたのだね、ありがとう。クルマには申し訳ないことをしてしまったが、これで朝からの違和感の原因はタイヤにあったことが判明した。
工場ではすぐにタイヤ2)を取り寄せ、交換作業をしてくれた。調べたところでは、タイヤに釘などの異物はなし。刃物などでいたずらされた形跡もなし。なぜ空気が抜けたのかは不明とのこと。おそらく午前中の段階で空気が抜けかけていて、走っているうちにどんどん抜けてハンドルが重くなり、整備工場についたときにちょうどダメになった、ということか、と。
長いこと乗っているけれど、走行中に完全に空気が抜ける状態に至ったのは初めての経験3)。今回の教訓:ハンドルに違和感を感じたらまずパンクを疑うべし。