Key West 旅行記 2 – 海上ハイウェイとセブンマイルブリッジ

seven mile bridgeマナティ湾を過ぎると1号線はキー・ラーゴ(Key Largo)に接続する。ここからフロリダ・キーズの島々を結ぶおよそ180キロが海上ハイウェイ(Overseas Highway)だ。もともとは鉄道が走っていたが、1935年のハリケーンで破壊されて廃線となったあと、用地と残った橋がフロリダ州に売却された。1940年代から旧道路からの付け替え、拡幅、現代的な橋へ架け替える工事などを経て1980年代にほぼ現在の姿になった。

ところでフロリダ・キーズ(Florida Keys)の keysは「島」を意味しているが、もともとは「小さな島」を表すスペイン語 cayo から転じた1)。島が「鍵」みたいに見えた、みたいな言い伝えがあるわけではなさそうである。島と島の間では海の上にハイウェイが伸び視界がぱっと開ける。大きめの島に入ると海は見えなくなり、両側にはスーパーやガソリンスタンド、レストランやマリンスポーツの店が点々と並び、どちらかと言えば退屈な風景がしばらく続く。それを交互に繰り返しつつ、クルマは順調に進む。

seven mile bridge
青い海と空を分けるようにまっすぐに橋が伸びる

海上ハイウェイのハイライトとも言えるセブンマイルブリッジは、ナイツ・キー(Knight’s Key)とリトル・ダック・キー(Little Duck Key)を結ぶ6.79マイル(10.93キロ)の橋だ。キー・ラーゴで海上ハイウェイに入ってから約60マイル、マラソン市(Marathon)を抜けたところに現れる。ゆりやかな上りと下りが連続し、真っ直ぐに海の彼方に伸びてゆく橋、左右は見渡す限りの海。噂に違わぬ絶景だ。もし可能ならオープンカーで幌を全開にして走りたい2)。世代によっては、鈴木英人やわたせせいぞうのイラスト3)をイメージするかもしれない。橋の終わりに、駐車場と公園があって、今走ってきた橋をクルマを降りてゆっくりと眺めることができる。

 

1 アメリカ人にとってもKeyが島を表すのは、耳慣れない用法のようである。どこかの質問サイトに「なぜFlorida Isles と言わないのか」という質問があった。
2 残念ながら僕はルーフも開かないミニバンだった。
3 二人ともフロリダをテーマにしたイラストはあるようだが、セブンマイルブリッジそのものを描いたものがあるかどうかは知らない。